名刺交換
現在の日本では、名刺の使用が多くなってきております。自分の氏名、職務よりも職業の業務内容を宣伝した形となっています。日本における名刺は、「明治事物起源」によると文久三年江戸幕府の命を受けた、池田筑後守長顕がフランスにおいて丸に揚げ羽蝶の紋所の下に姓名を刷った銅版印刷に始まるといわれております。
本来名刺は将来の親交を考えて「今後よろしくご厚誼下さい」との意味が含まれ、大切に扱うことが必要です。
名刺交換の場合には目下の人から差し出します。又訪問した場合には、訪問者から出すのが作法です。受け取る側は名刺を良く拝見し、相手の名前、社名、役職を良く覚えることが大切です。名刺入れに納めた後で又名前を聞くような失礼の無いようにします。相手の名前を覚えられない場合には名刺を机の上において話を進めることも構いません。
会話の途中に相手の名刺をもてあそんだり、メモ代わりにすることは、相手を粗末に扱うこととなります。名刺の整理、保存は大切です。面接した日付、場所、用件などを後で名刺に記入しておくのも方法です。
 
三辞三譲
部屋に通されて、挨拶を行った後に先方の進めで座につきますが、先方の進める座が高すぎて困るときがあります。こちらが目下にもかかわらず、「客人だから」と上座を進められられることもあります。こんなときにTPOも考えあわせて、「三辞三譲」の心で座を選ぶのが作法です。上座の席を進められた場合、「どうぞ」の一言で「はい」と座ってしまうのは早すぎて遠慮がなさ過ぎます。ところが三度進められて、三度辞退するのは、今度は遠慮のしすぎだということです。どんな進めでも一度で受けるのは早すぎ、辞退も二度までは控えめと受け止められますが、三度の辞退は遠慮のし過ぎとなります。「三辞三譲」とは、進めと辞退のどちらにも通じる、タイミングを教えています。