流鏑馬の稽古は、江戸時代から回し木馬を用いて、走るタイミングを覚え、矢を放す稽古をしています。

これは馬上での基本の姿勢をつくる鍛練として、非常に有効なものです。
馬上で弓の狙いを定めるためには、馬の反動を受けないことが必要となります。その為に和鞍では、脚を閉めずに鐙(あぶみ)の上に突っ立つ姿勢をとります。
馬の反動を膝で抜き、腰でバランスを取ることが求められます。
腰を鍛える、また、膝と股を鍛えるためには、日常の礼法の稽古が求められます。


礼法の稽古での基本は、立つ、座る、廻る、歩むということですが、この稽古により、腰、股の筋肉が鍛えられます。

また、弓術も必要となります。正しい射、正しい離れを修得しなければなりません。
流鏑馬は、礼法の習錬と、弓術の習練がなければきちんとした格は得られません。

回し木馬は的間を何秒で走るか、それに併せて一回転させます。
一回転の間に矢番えをして、弓を引きます。
必ず上位者が木馬を回し射手の動作を見ながら指導を致します。
矢の抜き方、矢の番え方、弓の引き方、離れのあり方、声の掛け方、腰の状態等全てに目を向けて
適切な指導を行ないます。

このような稽古により格を学び、本番に臨むことになります。